5/2「K-1 WORLD MAX 2010 -63kg Japan Tournament 1st Round」

深夜に放送されていたK-1MAXの63kgトーナメントを見ました。
TV放送的には最初(試合としてはメイン)の上松大輔vsチョン・ジェヒが一番スカッとした試合で、全体的にはけっこうフラストレーションのたまる試合が多かった印象です。
もちろん、スピーディーで見応えはあったのですが、首相撲制限のルールに戸惑っている選手がいたり、勝ちきれずに判定にもつれてしまう試合が多かったので、ちょっと感動が鈍ってしまったという感じ。
全体的に華々しさとか爆発力に欠けていたように思います。


これはヘビー級のような派手なKOが少ないからではありません。
原因は、僕が思うに二つです。
ひとつは、多くの選手がK-1という舞台でいつものパフォーマンスを発揮しきれなかったのではないかということ。
谷川EPも総括で「全体的にちょとみんな硬かった」とコメントしてますが、どうも本来の実力以下の内容だと感じる試合が多かった。
日頃は後楽園ホールあたりを主戦場にしている選手たちがJCBホールの観客数で萎縮するというのはおかしな話なので、やはりK-1というブランド(あるいは地上波放送にでられるというメジャーの重み)が歯車を狂わせたのでしょう。


もうひとつの原因は、これが「勝ってもトーナメント出場が保証されない試合」だったからではないでしょうか?
トーナメント本戦には8名しか出場できないのに63kg級が11試合も組まれているという興行で、最初から「本戦出場選手は試合内容を考慮して選出」という曖昧な条件になっていたわけです。
極端な話、例え負けても試合内容と印象がよければチャンスはある、と解釈できます(まあ、これで本当にファイヤー原田を選出したら、とんだ茶番だと思いますが……)。
やっぱりこれでは選手たちはモチベーションを100%にはできても“120%”にはできないと思います。
「勝てば本戦出場決定、負ければ終わり」とはっきり提示されていたら、勝負のキワのところでもっと違うモノが見られた可能性はあります。
本戦出場条件の曖昧さが、大会全体の熱気、情熱みたいなものを削いでしまったのではないでしょうか。


というわけで、僕としては「63kg級はやや不安な立ち上がり」という評価です。
もちろん、まだまだこの先には期待はしています。
日本人トーナメントもそうですが、どんな外国人勢が出てくるかがブレイクの肝になるでしょう。
MAXもクラウスやサワーやブアカーオがいてこそ、今の人気があるわけですし、どれだけ魅力的な「日本vs世界」の構図を作れるかに注目です。