「ホーリーランド」16巻

新刊が出ていたので購入。
ドラッグを武器に策謀でシモキタを手中に収めようとする敵“キング”との抗争で、ついにマサキが立ち上がる一方で、主人公・ユウは暴走。
ユウのライバルだったショウゴまでもがクスリに犯されていくという展開に。


しかし、個人的に意外だったのは、頭脳だけでユウたちと渡り合うと思われた“キング”も、やっぱりケンカが強い拳法使いだったということ。
「今までの敵と違う体系の“キング”をどうやって倒すんだろう?」という期待感があったのに、「なんだ結局タイマンでケリのつく相手だったのか」という感じでちょっぴり拍子抜け。


ただこの「拳法使い」という表現が微妙で、それが中国拳法なのか、はたまた日本拳法なのか、実は骨法だったりするのかまだわからない。
マンガ的なギミックとしての「中国拳法」は、何でもありのジョーカーみたいな存在*1なのであまり踏み込んでほしくはないなあ。


逆に、日本拳法にスポットを当てるのは面白いんじゃなかろうか。
日本拳法で思い出すのは、K-1オールドファンには名レフェリーとして知られる猪狩元秀さん。
実はマッハパンチ日本拳法の直突き)を武器に、ムエタイ現役王者を三人もKOしたキックボクサー。
ある雑誌で識者に「歴代最強の日本人ミドル級戦士は?」というアンケートを行ったところ、一位は魔裟斗ではなくこの猪狩さんだったというくらい、すさまじい強さだったらしい。
いろいろ蘊蓄も入れられそうだし、この作者が好みそうなネタだと思う。


それはともかくね、ワタクシぐらいになるとこの作者の絵でも伊沢マイに萌えられるようになってきたですよ!
まあ森恒二ヤングアニマルの雑誌末尾の作者コメントで「東雲先生の絵はすごいな〜。女の子が画面から飛び出してくるよ」とキミキス』を絶賛していたので、萌え要素が気付かぬうちに増加しているのかもしれん。

ホーリーランド 16 (ジェッツコミックス)

ホーリーランド 16 (ジェッツコミックス)

*1:グラップラー刃牙』の烈海王がその典型。拳法に限らず、料理マンガだろうがスポーツマンガだろうがSFマンガだろうが、「四千年の歴史!」とか言っておけばなんでも許されてしまうのが中華ギミックだと思う。