『オタクのための格闘術』のキャラ名の元ネタ

まあ本が入手困難になってしまったのでブログに書きそびれた話題なのですが、作者本人が気付かなかった誤植を指摘してくれる愛読者がいることに感動したので書きます。
『オタクのための格闘術』のラノベSIDEに登場するキャラクターの名前にはたいてい元ネタがあります。
けっこうわかりにくいものも多いです。
というのも、“桜庭”とか“マサト”みたいなわかりやすいネーミングだと「コイツ、絶対エセ格闘ファンだろ」とナメられると思ったからです。
この機会に元ネタの解説でもしてみたいと思います。

打木サトル
名字は“内気”と響きが同じだけど武道の特訓を連想させる漢字で意味づけ。サトルは佐山聡マイメロ好きパンクラシスト北岡悟から。
渡辺メグミ
女子格闘家の渡辺久恵と藤井恵の合体。“女子格闘部”というネタを考えて時点で、たとえ元ネタをわかる人が少なかろうとも女子格闘家を使おうと考えてました。キャラの格闘スタイルも渡辺久恵がモデルです。
島ユウカ
“ユウカ”は女子格闘家の辻結花と近藤(久保田)有希 から。名字を漢字一文字にしたのも辻結花からの着想だけど、なぜ島にしたのかは思い出せません。三島☆ド根性ノ助だったような。
アンナ・イリューヒナ
“イリューヒナ”はリングスのイリューヒン・ミーシャから。“好きな格闘家はアンドレイ・コピィロフ”という設定もリングスつながり。
藤井しのぶ
女子格闘家の藤井恵と神取忍から。“最強キャラ”という位置づけから新旧・女子格闘技の女王を合体させました。
勝村ヒデオ
お互いに親交の深いリアル・タイガーマスクこと勝村周一朗所英男から。イイヤツキャラということで。
近藤アケミ
近藤はパンクラス近藤有己と女子格闘家の近藤有希から。“アケミ”はただズベ公というイメージでつけました。今思えば、“渡辺”と“近藤”を誤記してしまったのはストライカーのイメージからでしょう。


そういえば初期の設定では渡辺メグミの祖父が武道の達人という構想もあり、“渡辺正史”と名前まで考えてました。
もちろんこれはケンカ骨法の堀辺正史師範からですw


あと、ヤスダスズヒト先生の素晴らしい表紙イラストですが、イラストを発注する際、担当編集者に「メグミにオープンフィンガーグローブをつけさせてくれ」と強く主張したことを思い出します。
編集は「でも普通のグローブのほうが一般人にわかりやすくないですか?」と言ったのですが、「格闘術を冠しているのにボクシングのグローブだったら絶対ナメられますよ!」と譲りませんでした。
今でもあそこで妥協しなくてよかったとしみじみ思います。
それに、格闘技の一般化は思ったより進んでいて、最近はそれほど格闘技に興味のない人でもオープンフィンガーグローブの存在は知っているんじゃないでしょうか。
名称は知らなくても、「ああ、PRIDEの人が使うグローブだ」くらいの認識はありますよね。


以上、『オタクのための格闘術』元ネタ話でした。