2010.2.13「シュートボクシング維新〜ISHIN〜其の壱」感想

もう一週間経ってしまいましたが、シュートボクシングの2010年シリーズ第一戦、「維新〜ISHIN〜其の壱」後楽園ホール大会に行ってきました。
感想を書いておきます。

×風香vs朱里○

今回のシュートボクシング興行はレディースの試合が2つ組まれていることが注目でした。
昨年の女子総合格闘技団体「ジュエルス」との提携、「ガールズS-CUP」の開催と女子高生王者RENA(レーナ)の誕生の流れを2010年の興行でもより盛り上げていこうという意図が感じられます。
その中で、アイドル・レスラーとして知られる風香の格闘技引退試合は色々な意味で話題を集めていました。
その相手を務める朱里は、ハッスルで空手少女KGとして活躍していた朱里。
ジュエルスでSBルールの試合は経験済みで、本人はキックボクシングの方面にやる気満々らしいです。
さて、この試合で特筆すべきはまず入場。
ダンサーを引き連れた風香の入場パフォーマンスはあちこちで話題になってますが、私としては朱里の入場に触れておきたいですね。
後楽園ホールに大音量で流れる「ひぐらしのなく頃に」!
ハンニャハーラハーレイーですよ。
これで断然、朱里を応援していくことに決めました。
日本人とフィリピン人のハーフだそうなので、彼女はさしずめ「女子キック界の中島愛」といったところでしょう。


さて試合は、判定までもつれて2-0で朱里の勝利。
女子の試合はなかなかKOがでないので、手数勝負になることも多いのですが、朱里のほうがスタミナがあり、また軸のぶれない打撃ができていたように思いました。
双方に投げの技術があればシュートポイントで違った試合内容になったかもしれません。
ともかく、風香おつかれさま。
そして朱里の今後に、色々な意味で期待です!

○RENAvsクリスティーナ・ジャルジェビック×

前日の計量で一回オーバーしていたクリスティーナ。
シュートボクシングへの対応はあまり考えていなかったのでしょうが、1Rから長い手足から繰り出すストレートとハイキックに会場からも感嘆の声が漏れていました。
ただ、レーナは落ち着いて対応し、投げでシュートポイントを獲得。
さらに2Rにはスタンディングの肩固めでキャッチポイントも獲得し、一本にはならなかったものの明らかに相手のスタミナを奪い優勢に試合を進めていました。
結果、ガールズS-CUP王者の貫禄を見せつけたレーナが3-0の判定勝利。
シュートボクサーとしての成長を見せつけた一戦でした。

×石川剛司vs鈴木博昭○

1R1分06秒でのKO劇!
鈴木は昨年、ノンタイトル戦でSBのスーパーウェルター級王者・及川知浩にKO勝ち。
タイトル戦では惜しくも判定負けに終わるも、SBの60kg級の新エースの期待を背負う男です。
それがベテランの石川に序盤30秒ほどで右ハイキックをヒットさせ、そのままラッシュをかけて二度のダウンを奪い勝利。
やはり新世代のエースとして、2010年こそ「打倒及川」が使命となるでしょう。

宍戸大樹vsグレッグ・フォーリー×

かのジョン・ウェインとも渡り合ったオーストラリアの曲者グレッグ・フォーリーをエース宍戸が迎え撃つ一戦。
試合前に練習中に肩を脱臼していた宍戸は、いつものラッシュこそ勢いがなかったものの、全体的に先手を取る試合展開。
最後はつんのめった相手の首を抱え、ヒザをつこうとするグレッグの身体を強引に立たせるようにスタンディングチョークで一本勝ちをおさめました。
グレッグは「ヒザがついていたのになんでブレイクじゃないんだ」と抗議していたようですが、SBでは「みずからヒザをついてエスケープする行為」を反則として明記していて、レフェリーはヒザがつきかけた一瞬を宍戸のアドバンテージを取って流した、ということでしょう。
さすがにチョークで一本はSBでも珍しいので、驚きでした。

梅野孝明vsディーン・エグゼレブ×

やはり、今のSBは梅野孝明がいるから面白い。
もともと日本拳法をバックボーンに持つ梅野は、70kg級とは思えないパワーでSBデビュー以来無敗。
この試合ではKO気配のない攻防の中、いきなりの右フック一発でKO勝ちをおさめました。
これでデビューから無敗の12連勝。
また、以前の梅野は豪腕で追いつめながらも相手を倒しきれずに判定になる試合を続けていましたが、昨年からこれで4試合連続のKO勝利です。
彼の魅力は豪快な打撃ですが、いつも10kg以上の減量で70kg級の試合を行っており、文字通り70kg級とは思えない圧倒的なパワーを見せつけてくれます。
計量をパスしてから試合までの約24時間で、かなり体重を戻しているのも強さの秘密でしょう(最大で78kgまで戻したこともあるらしい)。
本人はこのまま今年開催のS-CUPでの優勝を目標としているようですが、その先には当然K-1MAX参戦の期待が高まります。
まだ梅野孝明のことを知らないという格闘ファンは、今のうちに名前を思えてチェックしておきましょう。
必ず、今よりももっとメジャーに出てきますよ!