秋葉原の殺傷事件

先日発生した秋葉原での殺傷事件。
知り合いには秋葉原界隈で働いている人もけっこういるので、まさに他人事ではない話だった。


それにしても、なぜ秋葉原だったんだろうか、と思う。
犯人は世間に対する恨みやもてないことについての絶望を掲示板に書き散らしていた。
“負け組”の復讐としての殺人なら、例えば渋谷とか原宿とかで“勝ち組”を標的にするほうがわかりやすい。
犯人は静岡から車で現場まで向かったのだから、実行場所はどこでもよかったはずなのだ。


結局、犯人は自分が疎外感を覚える場所には足を踏み入れることができなかったのかもしれない。
ほんのわずかでも自分が受け入れられそうな場所を選んで、人を殺した。
新聞を読んでいたら評論家の東浩紀さんはこの事件をあえて「自爆テロ」と評していた。
自分にとって身近な人々が集まる“聖地”を選んでの無差別殺人。
たしかにこれは自殺の裏返しとしての凶行といえるのではないだろうか。